徳谷トマト
一宮東小では「徳谷トマトのさいばい」を授業に取り入れ,
まち・人・社会と関わる楽しさ,大切さを学習しています。
体験学習「徳谷トマトのさいばい」
1960年代,徳谷の米農家は,家の近くの土地で裏作としてハウストマトを栽培していた。 連作障害を避けるためにあちこちで作り,布師田にもハウスを建てた。ところが,70年の夏,風速50mという台風に襲われる。大雨と高潮で堤防が決壊し,ハウスは高潮をかぶり全壊した。 トマトはもうできないと言われたが,ためしに作ってみると,甘くておいしいトマトが収穫できた。 土壌中の強い塩分の土と,生産者の工夫努力によって「徳谷トマト」ができたのである。
いまでは「徳谷トマト」は全国的に有名なブランドとなっている。
育てたい力
自分の回りの自然・人・モノに目を向ける(学ぶ力)
体験したり交流したり調べたりする活動を通して,いきいきと表現する(表現する力)
人と交流する中で,楽しさやお互いのよさを知る(ともに生きる力)
活動のようす
ハウスの見学
土作り
苗の接ぎ木
育つトマト
トマト新聞1
トマト新聞2
成果と課題
トマトハウスの見学からはじまって,収穫・土作り・接ぎ木と,生産者の指導の下, 体験しながら徳谷トマトのおいしさのひみつを1つずつ知っていったことは,とても有意義な学習となった。
生産者のお話を聞いて,細かい作業に気を付けながら,自分たちで接ぎ木をした。 おいしく丈夫なトマトを作るために接ぎ木という方法を取り入れている生産者の思いを, 接ぎ木作業を体験することで少しでも実感することができた。
今年度は,その苗を3年生教室で育てた。特別教室や体育館下で育てるのに比べて,日当たりが良く, 自分たちの身近な場所でトマトの成長を観察することができる。そのため,例年に比べてトマトの成長が良く, 児童も徳谷トマトに親しみながら観察をすることができた。
自分たちのトマトの苗は,生産者が育てているトマトのようにうまく育てることができない。 接ぎ木部分がうまく繋がっていなかったり,茎の部分が細かったり,葉が黄色くなったりしおれたりする。 トマトを育てることの難しさを実感し,あらためて生産者の工夫や努力を知ることができた。
徳谷トマトの良さを知ってもらうための成果物作成の活動で,子どもたちは, 意見を出し合い発表資料を作るなどの体験をした。その中で意見が合わなかったりうまく協力できなかったりという体験もしている。 そんな体験を通して,最初はグループとしてまとまりのなかった子どもたちが, 発表会に向けて少しずつ1つのものになっていくことができた。協力することや友だちのよさに気付く学習の場になったのではないだろうか。
自分たちが学習した内容から必要なものを選択し,それらをうまく整理してまとめる。 そして,聞き手に分かりやすく発表する。これは,今まで国語科で学習してきた内容の実践の場でもある。 子どもたちはそれぞれがんばっていたが,理解だけでなく,実技を伴った学習の大切さをあらためて感じた。